言語化できないことによる虚無感

1か月前くらいから定期的に、抑うつ気分というか、ものすごい虚無感に襲われる。

どういう感覚かというと、ふと急に体が鉛のように重く動かなくなり、「私は何をやっているんだろう……」とあらゆることが無意味で無駄でつまらないことのように思えてくる。それを振り払おうとするほど頭痛がひどくなり、胃がキリキリと痛む。
軽い鬱のような症状だ。
それが襲ってきたときは何もかも嫌になって忘れたくなるので、時間があればとりあえず寝ていた。

原因はなんとなくわかる。
恋人との会話が上手くできないことだ。

彼はそもそもおしゃべりがそんなに好きではない。そんなに寡黙というわけではないが、あまり深く内容のある話をできない。
彼の行動や考え方や嗜好について色々質問しても、なんとなく感覚だとか気分だとか衝動にかられたとか、そういう返事しか返ってこない。

彼は性格上かなりの気分屋なのだが、気分に任せているにしてはいつもこだわりが強すぎるし、好き嫌いも激しい。
私の経験上、こだわりが強くて好き嫌いの激しい人はそのこだわりや好き嫌いについて語る言葉をもっているし、興味をもって質問すれば嬉しそうに教えてくれるものだ。
でも彼は自分自身でも自分のことをよくわかっていないのだ。
私はいつも理由のわからないその時々の「なんとなく好き!」「なんとなく嫌!」に振り回されることになる。

だから彼との会話はいつも弾まない。
「なぜ○○なの?」と質問されても彼は「気分」としか理由を答えられないので質問をしすぎると嫌がられる。
それに加えて彼は他人に興味がないので、私の話を聞かない。途中で「長い」「つまらない」と言い出す。

私はけっこう言語化することで感情を整理しているところがあるので、身近な人間とスムーズに会話ができないのはキツい。
言葉にすることで制御できていた感情が、モヤモヤと曖昧になることでコントロールできなくなっていく。理性が崩壊すると私の場合、ダウナーな負の感情が溢れだしてくるようだ。私が一度気分に任せるとひたすら目の前が灰色の虚無に包まれてしまう。
おそらくそのせいで正体不明の抑うつ気分が頻繁に襲ってくるようになった。これが日常生活に支障を来す。

だからといって彼に言語表現能力を持てとか、人の話を聞けとか要求するのは違うと思っている。
彼は今まで周りからの評価を気にして無理をする人生を送ってきた。そのせいで目的を失って自殺しかけたが、そこから自分が好きなことを楽しむための人生に方向転換したのだ。自我に目覚めたばかりの彼は自分を持て余している。まだ自由になるためにもがいている最中なのだ。
「その時々楽しいと思うことをやり続ける。限界が来たら野垂れ死ぬ。」
という彼なりの思想をもっていま頑張っている。

たぶん意志を抱くには、まだ時間がかかるのだ。